平成25年度 シラバス
授業科目 担当教員 開講期
電子工学 岡田 久夫 後期
科目番号 対象学年 履修上の注意 単位数
121309 3年 電気情報工学科 1単位
授業概要
本科目では、材料の性質や半導体素子の動作を深く理解するために必要な物性理論の基本を学ぶ。半導体の性質を、原子構造、結晶構造、その結晶内での電子の動きにまで遡って説明する。特に結晶内で電子を動かす力がどのように働き、その力によって電子がどのように動いているかを理解できるよう努める。授業を通して、半導体の基本的性質、エネルギー帯図など半導体に関する基本知識が身につくことを目指す。
  到達目標
   1. 原子の構造と、結晶の構造を理解する。
   2. 原子内電子のエネルギー状態について理解する。
   3. エネルギー帯の発生機構と構造を理解する
   4. 半導体内部での電子の動きを理解する。
   5. 半導体のエネルギー構造と電気的特性の関連を理解する
   6. フェルミ準位の概念を理解する。
   7. 分布関数と状態密度の概念を理解する。
教科書
基礎半導体工学  小林敏志、金子双男、加藤景三 著  (コロナ社)
参考書
新版 電子物性  松澤剛雄、高橋清、斉藤幸喜 共著 (森北出版株式会社)
授業の進め方
授業は教科書に沿って板書で進めるが、現象を物理的に理解できるように板書中に重要ポイントを明記する。また、学んだことがどのように使われているのかを理解させ、かつ考え方の展開を確認するために演習を行う。
授業内容
1 ボーアの原子模型
2 真性半導体と不純物半導体のキャリア
3 電界中でのキャリアの移動
4 拡散によるキャリアの移動(1)
5 拡散によるキャリアの移動(2)
6 磁界中のキャリアの移動
7 ホール効果
8 中間試験
9 孤立珪素原子の電子のエネルギー準位
10 共有結合
11 エネルギー帯の形成
12 珪素のエネルギー帯図とフェルミ準位
13 不純物半導体のエネルギー帯図
14 分布関数と状態密度
15 期末試験
成績評価の方法
提出物および受講態度を20%、定期試験を80%で評価する。
学生へのメッセージ
授業中、教員からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等の物理現象を自分で考える癖を付け、必要なら質問をし、自分に取り込んだ形で講義を聴くように意識的に努力すること。