平成24年度
授業科目 担当教員 開講期
金属材料 吉川貴士 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
110305 3年 機械工学科 選択必修 2単位
授業概要
 機械設計を行うにあたり、材料を選定するうえでの判断基準となる機械的性質ならびにその試験方法などの一般的な基本知識を学ぶ。
 また、金属材料におけるミクロとマクロの関連を学ぶ。
 後期では、金属材料の代表として鉄鋼材料を中心に、製造条件と組織および材料特性との関連についてに基礎知識を理解する。
 さらに、各種金属材料の製造および使用上の基本的な考え方について理解することを目標とする。
  到達目標
   1. 金属の結晶構造の種類が理解できる
   2. 金属材料のミクロな変形・回復・再結晶の機構が理解できる
   3. 機械材料の持つ機械的性質についての基礎知識が理解できる
   4. 機械的性質の試験法や非破壊検査法が理解できる
   5. 二相状態図から合金の組成を読み取ることができる
   6. 鉄鋼材料の熱処理(組織)と機械的性質の関係が理解できる
   7. 非鉄金属の特性が理解できる
教科書
機械材料工学 野口徹 中村孝 (工学図書)
参考書
金属材料工学 宮川大海 (森北出版)
初級金属学 北田正弘 (アグネ承風社)
機械材料 和田次郎 (オーム社)
機械材料 門間改三 (実教出版)
金属組織学 首藤 田村 西澤 (丸善)
金属物理学序論 幸田成康 (コロナ社)
授業の進め方
 教科書を中心に、必要に応じてプリントで補足する。図の解説を多用し、材料のミクロ組織と諸性質との関連の基本的な理解を深める。演習や小テストを行い理解を深める。
授業内容
前期 後期
1 授業ガイダンス、機械材料総論(機能、分類、製造・加工法) 1 鉄鋼の製造方法
2 金属のミクロな構造(結晶構造、ミラー指数など) 2 炭素鋼の状態図
3 格子欠陥、演習 3 共析鋼と亜共析鋼
4 ミクロな組織と材料強度の関係(塑性変形・転位) 4 過共析鋼、演習
5 析出・固溶硬化、微細粒化 5 鋼の熱処理
6 マクロな材料強度 6 熱処理と内部組織と機械的性質の関係
7 延性・脆性破壊(クリープ、疲労) 7 表面硬化処理、演習
8 中間試験 8 中間試験
9 機械的性質に及ぼすマクロな要因(切欠き、応力集中) 9 構造用合金鋼
10 材料試験法(機械的性質)について 10 鋳鉄(低温脆性)
11 非破壊検査方法 11 構造用非鉄金属材料(固溶硬化)
12 合金とその組織 12 構造用非鉄金属材料(時効硬化)
13 状態図、演習 13 構造用非鉄金属材料(鋳物)
14 熱処理の基礎 14 耐食・耐熱材料
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
定期試験90%、小テストならびに課題10%
学生へのメッセージ
ミクロな(目に見えない)世界とマクロな世界の現象を把握するために、イメージしながら授業を受けること。また、結晶学、再結晶や疲労破壊などの材料強度学、状態図などの冶金学はそれぞれで1冊の本になっている内容を掻い摘んでいるので、それらの詳しい参考文献などをみることで理解を深めて欲しい。