平成24年度
授業科目 担当教員 開講期
無機材料学 新田敦己 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
151405 4年 環境材料工学科 2単位
授業概要
 セラミックスは非常に古くから使われている材料であり、日常生活にとって欠くことの出来ないものである。また、工業材料としてのセラミックス材料は、半導体、コンデンサー、LSI用基板等の電子セラミックスを中心に、機能性セラミックス、バイオセラミックス等のいわゆるファインセラミックスとして注目されている。近年では、高温超伝導材料として世界中の注目を浴びている。本講義では、主として、ファインセラミックスを理解するための基礎知識を与えることを目標とする。はじめに、基本である原子構造、化学結合様式、結晶構造の特徴などについて解説する。次に、セラミックスの性質に関係の深い巨視的微構造と原子スケールの点欠陥について詳述し、これらと関係の深い拡散、電気伝導、半導体理論について解説する。また、製造プロセスに重要な相平衡、固相反応、セラミックスの合成についても解説する。最後に、随時、最近のトピックスについても言及する。
  到達目標
   1. 原子構造と周期律表の関係を理解できること。
   2. 代表的な酸化物の結晶構造とガラス構造について理解できること。
   3. セラミックスの欠陥の種類、セラミックスに与える影響について理解できること。
   4. フィックの第1,第2法則の関係式およびその内容について理解できること。
   5. 電気伝導度および半導体の原理を理解できること。
   6. 熱力学第1,第2,自由エネルギー変化が理解でき、計算が出来ること。
   7. セラミックスの状態図を読めること。
   8. 相転移理論を理解できること。
   9. 単結晶の製造方法の原理および種類がわかること。
   10. 焼結理論を理解できること。
教科書
セラミックスの基礎科学   守谷祐介、笹本 忠、植松敬三、伊能泰郎 共著   内田老鶴圃
参考書
セラミックスの化学(第2版) 柳田博明著   丸善
授業の進め方
講義形式で行う。授業前に前週の復習をし、各個人の理解度を深める。また、適宜に課題演習を課す。
授業内容
前期 後期
1 原子構造と周期表 1 熱力学の法則(1)
2 元素の一般的性質 2 熱力学の法則(2)
3 化学結合 3 相律と状態図の読み方、2成分系
4 結晶構造 4 共晶型および包晶型状態図、2成分系の実例
5 単位格子の規定 5 状態図の利用(帯溶融法、凍結乾燥法、非平衡冷却)
6 化合物の結晶構造(1) 6 相転移の理論(1)
7 化合物の結晶構造(2) 7 相転移の理論(2)
8 中間試験 8 中間試験
9 セラミックスの微構造とバルク欠陥 9 固相の関与する反応(1)
10 点欠陥 10 固相の関与する反応(2)
11 転位 11 セラミックスの合成・応用
12 表面、界面および粒界 12 焼結の駆動力
13 拡散 13 拡散係数と焼結速度式(1)
14 電気伝導と半導体理論 14 拡散係数と焼結速度式(2)
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
前・後期定期試験および前・後期中間試験結果を80%、課題演習点を20%として評価する。
学生へのメッセージ
微分、積分および物理化学における3年生までの基礎知識が必要である。各自十分予習、復習し、講義に備えること。
学習・教育目標 (生産工学) 学習・教育目標
(電子工学)
学習・教育目標
(生物応用化学)
機械工学コース 環境材料工学コース
  B-1