平成24年度
授業科目 担当教員 開講期
回路理論2 香川 福有 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
121302 3年 電気情報工学科 専門基礎 2単位
授業概要
 交流・直流における電気回路網に対し、電圧・電流に関する方程式を立て、回路の諸状態を解析する手法を会得するように講義する。また、種々の定理を活用し、問題解決のためのアプローチを講義する。さらに、三相交流の概念および基本的な計算方法についても講義する。
  到達目標
   1. 交流回路に対し、複素数を用いた電圧、電流方程式が立てられ、閉路方程式による回路解析が行えること。
   2. 節点方程式による回路解法を理解し、電流源と電圧源の等価変換及びこれらが混ざった回路網の解析が行えること。
   3. テブナンの定理等の種々の定理を理解し、実際の計算に応用できること。
   4. 平衡三相交流に関して、電圧、電流、位相、電力などの基本的な回路計算ができること。
教科書
例題で学ぶやさしい電気回路・交流編 (森北出版)
参考書
電気基礎(下)  宇都宮敏男 ほか監修  (コロナ社)
トレーニングノート 電気基礎(下)  (コロナ社)
授業の進め方
教科書に沿って板書で進めるが、現象を物理的に把握、理解できるようにポイントを板書に記載する。また、演習を交え、学んだことがどのように使われるのかを理解させる。講義内容の丸暗記ではなく、基本的な考え方の展開が重要であり、この点を確認するための小テストも行う。
授業内容
前期 後期
1  正弦波交流の表現、交流回路におけるオームの法則 1  最大電力伝達の定理
2  インピーダンスと直並列回路 2  Δ-Y変換とY-Δ変換
3  交流におけるキルヒホッフの法則、クラ-メルの公式 3  相互誘導を含む回路網の計算
4  閉路方程式(網目と基本閉路、閉路電流法の基礎) 4  4端子回路(概論、Z行列)
5  閉路電流法の総合演習 5  4端子回路(Y行列)
6  節点電位法と演習 6  4端子回路(F行列1)
7  重ねの理 7  4端子回路(F行列2)
8  中間試験 8  中間試験
9  補償定理、可逆定理 9  三相交流の表示法
10  電圧源、電流源および等価変換 10  三相式回路の結線法(Δ結線、Y結線)
11  電圧源と電流源の混じった回路の解析法(閉路方程式、節点方程式、重ねの理) 11  平衡三相回路の解法(1)Y−Y回路とΔ―Δ回路
12  テブナンの定理、ノートンの定理、ミルマンの定理 12  平衡三相回路の解法(2)Δ−Y回路とY―Δ回路
13  定電圧回路、定電流回路、定抵抗回路 13  平衡三相回路の計算例
14  双対回路、逆回路 14  三相交流回路の電力
15  前期末試験 15  学年末試験
成績評価の方法
(1)定期試験4回と授業の区切りに実施する3〜4回の試験を80%
(2) 課題提出物・演習・質問応答を20%
で評価する。
学生へのメッセージ
電気回路は、電気の基礎科目として必要不可欠なものであり、電子回路、電気機器、電力工学などほとんどの電気の応用科目に必要とされる知識である。また、電気に関わる各種資格試験の共通の基礎科目ともなっており、それだけ、重要度の非常に高い科目であり、しっかりと身に付けることが必要である。無線従事者・電気工事士・電気主任技術者関連科目である。