平成24年度
授業科目 担当教員 開講期
生物化学1 牛尾 一利 後期
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
140307 3年 生物応用化学科 選択必修 1単位
授業概要
まず、生物を構成する化学物質につき、それらの構造や働きについての概略的知識を習得する。また生命物質及び生命の誕生と進化、さらには生物・生体構成物質と化学物質や紫外線等との相互作用の学習を行い、生物の化学的基礎と地球環境問題理解への基礎を固める。
  到達目標
   1. 各種の生物に関して基礎的な説明ができること
   2. 生体構成物質のうち、カルボン酸、アミノ酸、タンパク質、糖、油脂、リン脂質、核酸、ビタミン、ミネラル等に関して基礎的な説明ができること
   3. 生体内で起こる反応のうち、特にトリカルボン酸回路とオルニチン回路について説明できること
   4. 生物にとっての栄養と、その消化吸収について説明できること
   5. 栄養の消化吸収・代謝に関わる主要な臓器、すなわち、胃、腸、膵臓、肝臓、胆嚢、脾臓に関して説明できること
   6. いくつかの重要酵素反応につき説明できること
   7. 血糖値の調節等、生体内の代謝をホルモンや神経により制御して恒常性を保つしくみにつき説明できること
教科書
生化学  露木英男 編著  (共立出版)
参考書
コーン・スタンプ生化学  田宮信雄、八木達彦 訳  (東京化学同人)
地球にやさしい化学  寺田弘 他著  (化学同人) など
授業の進め方
講義形式。適宜、簡単な質問について自ら考え答えてもらう。
授業内容
1 生物化学入門(生体構成物質概論)
2 生物の多様性1
3 生物の多様性2
4 アミノ酸とペプチド・タンパク質
5 生物に重要なカルボン酸とTCA回路、及びそのアミノ酸とのつながり
6 アミノ酸と生命(オルニチン回路等)
7 栄養と吸収・代謝(糖質・脂質・タンパク質)
8 中間試験
9 酵素やホルモンの働き(消化・吸収における胃、小腸、すい臓等の働きを中心に)
10 酵素反応の集積地・肝臓の働き。すい臓、副腎からのホルモン等による血糖値の調節
11 ビタミンの役割
12 ミネラルの役割
13 複素環芳香族の化学と遺伝子物質
14 地球環境と生命
15 期末試験
成績評価の方法
定期テストの点数(100%)で評価する。
学生へのメッセージ
今日、環境を保全しながらのよりよき世界への発展が人類にとって不可避の課題となっている。この状況をふまえ、特に技術者は地球史的観点から生物に対する正しい理解を持っておくことが必要である。 短い講義であるが生物化学の基本事項学習を通して、生物に対する理解をの深め、同時に、持続可能な社会の構築を実現するための思考力、モラルと責任を自覚する能力等を身につけてもらえるよう切望する。