平成24年度
授業科目 担当教員 開講期
分析化学実験 (前期)桑田 茂樹・橋本 千尋 (後期)桑田 茂樹・勝浦 創 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
140207 2年 生物応用化学科 必修 3単位
授業概要
実験テーマ毎に実験目的と解説、実技、レポート提出を行い、分析器具の使い方(安全性や廃液処理も含めて)を体得するとともに、定量分析(重量分析、容量分析)の理論を理解することを目的とする。また微生物の培養に関する基本的な実験に加え、微生物の持つ能力や酵素についても実験を行い、微生物や酵素に関する扱い方や性質を理解することを目的とする。
  到達目標
   1. 分析化学分野、生物分野の実験における安全の知識を持ち、行動できる
   2. 分析化学実験で用いる器具の名称が分かり、取り扱いができる
   3. 溶液のモル濃度、質量パーセント濃度、比重、希釈についての基本的な計算ができる
   4. るつぼやガラスフィルターを用いて質量分析の操作ができ、目的物質の純度、含有率の理論値及び実験値などを求められる
   5. 中和滴定、酸化還元滴定、キレート滴定などの操作ができ、その結果から目的物質の濃度を求められる
   6. 生物実験における基本的な用語が説明できる
   7. タンパク質、酵素の取り扱いができ、その働きが説明できる
   8. 微生物の基本的な取り扱いができる
   9. 実験ノートおよびレポートの書き方を身につける
教科書
分析化学実験テキスト 新居浜高専・生物応用化学科 編集
実験を安全に行うために 化学同人編集部 (化学同人)
続実験を安全に行うために 化学同人編集部 (化学同人)
参考書
定量分析  鈴木 実 編  (実教出版)
基礎分析化学  新良宏一郎 他共著  (三共出版)
高専の化学  小森三郎 監修  (森北出版)
微生物学入門  堀越弘毅、秋葉晄彦 著  (オーム社)
応用微生物学  村尾澤夫、荒井基夫 編  (培風館)
ビギナーのための微生物実験ラボガイド  堀越弘毅他 著  (講談社サイエンティフィク)
授業の進め方
実験は、各テーマとも各自単独で行う。実験ノートに結果を記録し、レポートにまとめて提出する。レポート提出期限は、実験終了後1週間以内とする。
授業内容
前期 後期
1 分析化学実験の説明と準備及び安全教育 1 容量分析実験(酸化還元反応)の説明および演習
過マンガン酸カリウム標準溶液の調整(溶液作成)
2 濃度計算の演習
質量分析実験についての講義および演習
2 過マンガン酸カリウム標準溶液の調整(濃度標定)
硫酸アンモニウム鉄(II)中の鉄の定量
3 硫酸銅中の結晶水の定量 3 化学的酸素消費量(COD)
4 みょうばん中のアルミニウムの定量 4 過酸化水素水の定量、ヨウ素標準溶液の調製(溶液作成)
5 ニッケルの定量、みょうばん中のアルミニウムの定量 5 ヨウ素標準溶液の調製(濃度標定)、亜硫酸ナトリウム中の亜硫酸の定量
6 ニッケルの定量、みょうばん中のアルミニウムの定量 6 塩素の定量、銀廃液からの銀の回収
7 質量分析実験の復習演習 7 容量分析実験(キレート滴定)の説明と演習
硫酸マグネシウム中のマグネシウムの定量(キレート滴定)、片づけ
8 中間試験 8 中間試験
9 容量分析実験(中和反応)の説明および演習
容量分析実験(中和反応)の準備および練習実験
9 生物実験に関する講義
10 炭酸ナトリウム標準溶液の調製および塩酸溶液の濃度標定 10 空気中・土壌中あるいは手に付着している微生物群の検出
11 水酸化ナトリウム溶液の濃度標定 11 菌の単離及び増殖試験
12 硫酸の純度測定 12 酵母の物質代謝
13 食酢中の酢酸の定量 13 アミラーゼを用いた酵素反応(pHの影響)
14 ソーダ灰の定量(二段滴定)、片づけ 14 アミラーゼを用いた酵素反応(温度の影響)、片づけ
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
実技(実験態度、出欠、レポートの提出)50%、試験50%として評価する。
レポートの提出が遅延した場合、実験点を30点、2回以上遅延したり不提出の場合、実験点を0点とする。
学生へのメッセージ
高専では、将来、実践的技術者として活躍するために、実験は最も重要な科目と位置づけている。そのため何を目的に実験するのかをしっかりと意識して実験するとともに、測定結果や観測結果を解析できる能力を身につけて欲しい。後期の生物に関する実験では微生物や酵素の取り扱い方などの基本操作を学ぶのでしっかりと身につけてほしい。また、安全に対する意識を高めるため、白衣・保護メガネの着用などに関して厳しく指導する。