平成21年度
授業科目 担当教員 開講期
無機化学 朝日太郎 前期
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
151305 3年 環境材料工学科 選択 1単位
授業概要
21世紀に入ってマテリアルサイエンスやバイオサイエンス分野の進展は著しく、両分野に関わる多くの元素を取り扱う無機化学の重要性が高まっている。無機化学は炭素を含めたすべての元素が関与する物質の構造や性質、反応を取り扱う学問で、それらの系統的な理解のためには、物質を構成する原子・分子の構造や結合に関する知識が不可欠となる。本科目では、量子化学の基礎とあわせて、これらの事項の理解を目標とする。
  到達目標
   1. 原子の構造と電子配置が理解できること。
   2. 化学結合と物質の構造・性質との関係を理解できること。
   3. 量子化学の基礎を理解できること。
   4. 各種の無機化合物がどのような材料として利用されているか理解できること。
教科書
理系のためのはじめて学ぶ化学 「無機化学」、齋藤勝裕、ナツメ社
参考書
絶対わかる 無機化学、齋藤勝裕+渡曾 仁、講談社サイエンティフィク
原点からの化学 無機化学、石川正明、駿台文庫
無機化学の最重点 照井式解法カード、照井 俊、学研
授業の進め方
教科書を中心に板書形式で講義を進める。課題を適時実施して、講義内容の理解度を深める。また、関連する分野の科学記事などを紹介し、広く材料科学に関する内容への興味を深めてもらう。
授業内容
1 原子構造と原子核の構造@(物質と原子、原子核の構造) 
2 原子構造と原子核の構造A(原子量、元素の存在比) 
3 周期表と元素の周期性@(電子殻、電子配置、価電子)
4 周期表と元素の周期性A(周期表、周期性)
5 無機分子の結合と構造@(イオン結合、金属結合、共有結合)
6 無機分子の結合と構造A(無機分子の構造、配位結合、結晶構造)
7 非金属元素の性質と反応
8 中間試験
9 金属元素の性質と反応
10 錯体の構造と性質@(錯体の形、構造、働き)
11 酸と塩基@(酸・塩基、HSAB理論)
12 酸と塩基A(酸・塩基の種類、pH、中和反応)
13 酸化と還元@(酸化数、酸化剤・還元剤)
14 酸化と還元A(イオン化傾向、電池、電気分解)
15 期末試験
成績評価の方法
成績は、定期試験70%、課題30%として評価する。
学生へのメッセージ
化学1,2で習得した内容を基礎とする。並行して開設されている物理化学の内容を参考にすると理解が深まる。高学年時に開講される無機材料学、有機化学、複合材料などの基礎となる科目である。参考書も大いに活用すべきである。