平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
金属材料 林 洋一郎 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
11171 3年 機械工学科   2単位
授業概要
金属材料学の基本は組織学である。そこで金属材料の代表として鉄鋼材料を中心に、最も基本的な炭素鋼の製造条件と組織および材料特性との関連を基本的に理解する。さらに代表的な合金鋼について、性質および使用上の問題をミクロ組織との関連で整理して、各種金属材料の製造および使用上の基本的な考え方についてミクロ組織を仲介にし論理的に説明できるようになることを目標とする。
  到達目標
   ・金属の結晶構造種類を理解できる
   ・金属の塑性変形・回復・再結晶の機構を理解できる
   ・二相状態図から合金の組成を読み取ることができる
   ・鉄鋼材料の熱処理(組織)と機械的性質の関係が理解できる
   ・炭素鋼の状態図から組織を読み取ることができる
   ・各種鉄鋼材料の特性(機械的性質)が理解できる
教科書
機械・金属材料 矢島・宮崎・市川・小坂井・古沢・西野共著 (丸善)
参考書
いろいろな鉄  松尾宗 次著  (日鉄技術情報センター)
初級金属学  北田 正弘著  (アグネ承風社)
鉄鋼材料の科学  谷野満 他著  (内田老鶴圃)
機械材料  門間 改三著  (実教出版)
授業の進め方
教科書を中心に進め、必要に応じてプリントで補足する。図の解説を多用し、材料のミクロ組織と諸性質との関連の基本的な理解を深める。各論では鋼種ごとの特徴と使用上の問題に重点を置く。授業の途中に出来るだけ演習を行い、理解度をチェックする。
授業内容
前期 後期
1 金属の通性と金属の結晶構造 1 鋼の熱処理概説
2 金属の塑性変形 2 冷却速度と変態温度
3 加工硬化と再結晶 3 鋼の連続冷却変態とCCT曲線
4 合金の平衡状態図解説 4 恒温変態とベイナイト組織
5 相とその通性 5 焼ならし、焼なまし、焼入れとミクロ組織
6 合金の状態図とその見方(1)全率固溶体型 6 焼戻しと機械的性質
7 合金の状態図とその見方(2)共晶型 7 炭素鋼の組成と用途
8 中間試験 8 中間試験
9 製銑法と製鋼法 9 高張力鋼、構造用合金鋼と溶接性
10 純鉄の変態 10 快削鋼、機械構造用合金鋼
11 炭素鋼の状態図解説 11 工具鋼の種類と用途
12 炭素鋼の状態図と組織(1)共析綱と亜共析綱 12 鉄鋼の腐食と防食法
13 炭素鋼の状態図と組織(1)過共析綱と演習 13 ステンレス鋼
14 鋼の降伏現象と標準組織の機械的性質 14 非金属材料概説
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
定期試験100%で評価する。
学生へのメッセージ
金属材料学はナノテクノロジーに代表されるミクロの領域の学問である。従って、想像力を働かせて、授業中は理解することに集中して欲しい。