平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
金属製造工学 (前期)高橋 (後期)谷 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
15330 材料工学科   2単位
授業概要
前期:鉄鋼材料は構造用等の材料として、現在でも揺るぎない地位を保っている。本講義では、鉄鋼の製錬・製造方法について講述し、さらに熱力学の製錬への応用について説明する。
後期:鉄鋼の場合と異なり、非鉄金属製錬では低品位の鉱石から金属を抽出する場合が多い。非鉄金属製錬法の概念並びに代表的な金属の実際の製錬方法を学ぶ。製錬反応で最も重要なのは熱力学であるので、熱力学に重点を置く。

  到達目標
   ・鉄や鉄鋼の歴史について説明することができること。
   ・高炉や製銑法、製鋼法の概略とそれらの炉の炉内反応について説明できること。
   ・高炉内の平衡論について説明できること。
   ・熱力学の製錬への応用について理解できること。
   ・熱力学第1および第2法則を簡単な図と式を用いて説明できること。
   ・ヘスの法則を実例の反応式を例に挙げて説明できること。
   ・化学ポテンシャルと活量について理解できること。
   ・生成自由エネルギ−について説明できること。
   ・平衡計算が出来ること。
   ・硫黄−酸素ポテンシャル図が描けること。
   ・イオン活量pH図が描けること。
   ・状態図を理解できること。
教科書
教科書 (前期) なし(プリント)、(後期)金属製錬工学 (日本金属学会)
参考書
鉄鋼材料  須藤 一・佐久間 健人
鉄冶金熱力学 大谷 正康 著  (日刊工業新聞社)
授業の進め方
前期)授業は、プリント・板書を中心に講義を進め、1-2年での化学、3年で学んだ物理化学の理論の復習を行いながら、出来るだけ演習問題を多く解かせ、金属製造には熱力学が極めて重要な学問であることを認識させ、本講義を進める。
後期)Power Pointを用いて、写真や図をできるだけ多く用いて行う。熱力学を基礎として講義を進める。参考書は図書館にもたくさんあるが、3年生の時に使用した「絵とき化学入門」( オ−ム社)をよく勉強してください。
授業内容
前期 後期
1 鉄の歴史、鉄鋼生産の歴史 1 非鉄金属精錬の概要
2 鉄鋼製錬の概要 2 鉱石、選鉱
3 採鉱、鉱石予備処理 3 鉱石の予備処理
4 乾式製錬と湿式製錬 4 予備処理の熱力学
5 高炉の概要 5 銅の製錬
6 高炉内反応と平衡論 6 溶融製錬の化学
7 転炉の概要と転炉内反応  7 マット、スパイス、スラグ

8 中間試験 8 中間試験
9 熱力学の製錬への応用の概要 9 固体還元
10 熱力学第1法則 10 揮発製錬
11 エンタルピ−とヘスの法則 11 還元と熱力学
12 熱力学第2および第3法則 12 乾式精製
13 化学ポテンシャルと活量 13 湿式製錬
14 生成自由エネルギ− 14 湿式精製と熱力学
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
(前期) 定期試験70%(ただし100点満点)、小テスト(得点/総点)x 100の25%、受講状況5%の割合で評価する。
(後期)成績=(試験の得点+平常点)/係数
 試験の得点は定期試験の他に小テストの点を加え成績評価の90%とする。平常点は受講態度、応答並びに出席状況に対して与えられ成績評価の10%とする。学年末の成績は前期と後期の評価を単純平均する。

学生へのメッセージ
本科目は材料工学科において極めて重要な専門基礎科目のうちの一つであるから、予習と復習を十分に行うこと。問題演習は毎週行うので、電卓を必ず持参のこと。出来るだけ個々に指導を行う ので、板書を写すだけでなく、疑問点があればその都度、質問して欲しい。ノ−トチェックを適宜行う。知識の定着度と理解力の調査のため、小テストを行う。製錬は化学反応です。基礎となる熱力学をよく理解する必要があります。
学習・教育目標
(生産工学)
B 学習・教育目標
(システムデザイン工学)
  学習・教育目標
(生物応用化学)