平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
材料表面工学 新田 敦己 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
15300 材料工学科   2単位
授業概要
 材料には必ず表面・界面が存在し、そこでは様々な現象が起こっている。その中でも腐食は、代表的な表面現象である。また、めっきやガスセンサーなどは表面現象を利用したものである。したがって、材料の表面・界面挙動を理解することは、材料開発にとって大変重要である。電気化学は、これらの表面・界面現象を理解するための基礎になる学問である。本講義では、電気化学の基礎理論に重点をおき、解説する。また、これからの材料開発には欠かせない表面分析法についても、必要な基礎理論および各装置の原理について解説する。
  到達目標
   ・ファラデーの法則が理解でき、計算が出来ること。
   ・アノード反応、カソード反応を理解できること。
   ・電池の起電力および電極電位を求めることができること。
   ・電気二重層の構造を理解できること。
   ・過電圧の意味を理解でき、種類が分かること。
   ・バトラー−ホルマー式が導出でき、ターフェル式を理解できること。
   ・腐食における局部電池機構を理解でき、代表的な分極曲線が描けること。
   ・不動態化の原理を理解できること。
   ・プールベイ図を理解できること。
   ・電気伝導率、イオンの輸率、移動度について理解できること。
教科書
電気化学概論    松田好晴・岩倉千秋
参考書
バーロー 物理化学 大門 寛、他著 東京化学同人
新しい電気化学 電気化学協会編 培風館、など電気化学に関するもの。
授業の進め方
講義形式で行う。授業前に前週の復習をし、各個人の理解度を深める。また、適宜に課題演習を課す。
授業内容
前期 後期
1 電気化学の歴史、電気化学セル 1 電極と電解液の界面構造
2 ファラデーの法則 2 電極反応の素過程と反応速度
3 電解質溶液の電気伝導率、モル電気伝導率 3 電荷移動過程(1)
4 溶液中のイオン解離 4 電荷移動過程(2)
5 イオンの輸率と移動度 5 物質移動過程(1)
6 イオン伝導の機構 6 物質移動過程(2)
7 電解質溶液中のイオンの活量 7 IR損の影響、電極触媒作用
8 中間試験 8 中間試験
9 電池の起電力(1) 9 腐食の種類、局部電池機構
10 電池の起電力(2) 10 腐食の速度論
11 電極電位(1) 11 腐食の平衡論
12 電極電位(2) 12 不活態と不動態
13 濃淡電池(1) 13 防食(1)
14 濃淡電池(2) 14 防食(2)
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
前・後期定期試験および前・後期中間試験結果を80%、課題演習点を20%として評価する。
学生へのメッセージ
3年生までの数学に関する基礎知識および物理化学の基礎知識(特に溶液系に関する知識)が必要である。各自十分復習をし、講義に望むこと。
学習・教育目標
(生産工学)
B 学習・教育目標
(システムデザイン工学)
  学習・教育目標
(生物応用化学)