平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
金属材料学1 曽我部 卓三 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
15230 4年 材料工学   2単位
授業概要
金属材料学1では、鉄鋼材料における基礎をしっかり教える。即ち、鋼材の製造過程、Fe-C系状態図と標準組織、鋼の熱処理、TTT図、CCT図、マルテンサイト変態、マルテンサイトの焼き戻し、など、鉄鋼材料の基礎を理解させた上で、機械構造用鋼、工具鋼、ステンレス鋼、耐熱鋼などの各論へと広げてゆく。
  到達目標
   ・鋼の製造工程が説明できること
   ・Fe-C系状態図が読めること
   ・状態図と組織、C%と組織の関係が説明できること
   ・鋼の基本的な熱処理の原理と方法が説明できること
   ・TTT図とCCT図が説明でき、実際の熱処理に応用できること 
   ・焼戻し過程や2次硬化などの現象が説明できること
   ・焼入性とは何か、焼入性を左右する因子は何かが説明できること
   ・表面硬化法の目的、方法が説明できること
   ・鉄鋼材料の分類ができること
   ・機械構造用鋼とは、どんな鋼か説明できること
   ・工具鋼とは、どんな鋼か説明できること
   ・ステンレス鋼とは、どんな鋼か説明できること
教科書
鉄鋼材料  須藤一 編集  日本金属学会
参考書
構成金属材料とその熱処理  門間改三・須藤一 著  日本金属学会
特殊鋼の熱処理  飯島一昭他 著  日刊工業新聞社
授業の進め方
講義と演習
授業内容
前期 後期
1 鋼材の製造過程、リムド鋼、キルド鋼 1 焼入れ性とは
2 Fe-C系状態図, 5つの変態 2 理想直径、ジョミニー曲線
3 炭素含有量と標準組織 3 焼入れ性におよぼす諸因子
4 純鉄および軟鋼の性質 4 鋼の表面硬化法、浸炭・窒化、高周波焼入れ
5 鋼の熱処理、4つの基本熱処理 5 鋼の用途別分類
6 マルテンサイトとベイナイト、小テスト 6 一般構造用圧延鋼材および高張力鋼、小テスト
7 残留オーステナイトとサブゼロ処理 7 機械構造用鋼
8 中間試験 8 中間試験
9 等温変態とTTT図 9 工具鋼、炭素工具鋼、合金工具鋼、高速度鋼
10 冷却速度と組織、臨界冷却速度 10 ばね用鋼、軸受鋼
11 連続冷却変態とCCT図 11 鉄鋼の腐食と防食
12 TTT図、CCT図と組織 12 ステンレス鋼、Cr系ステンレス鋼とCr-Ni系ステンレス鋼
13 鋼の焼き戻し、小テスト 13 ステンレス鋼の材質的欠陥、小テスト
14 炭化物反応と2次硬化 14 耐熱鋼、超硬合金
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
成績は、定期試験と小テストを総合して評価する。評価の基準は、定期試験を90%とし、小テスト10%とする。
学生へのメッセージ
鉄鋼は金属の王である。軟らかい針金から、硬い工具や日本刀まで、炭素や合金元素の組成あるいは、熱処理法を変えることによって自在にその性質を変える事ができます。実用上、また学問の対象としても、これほど興味のある材料はありません。就職試験、大学の編入学試験にも鉄鋼材料の分野から数多く出題されています。心をこめて、真剣に学んで、自分のものにしてほしい科目です。
学習・教育目標
(生産工学)
B 学習・教育目標
(システムデザイン工学)
  学習・教育目標
(生物応用化学)