平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
物理化学 高橋 知司 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
15190 3年 材料工学科   2単位
授業概要
物理化学は材料工学における化学的な現象を物理的あるいは数学的に解析するための学問であり材料科学と共に材料系では極めて重要な基礎的科目のうちの一つである。原子・分子の構造・性質の考察から入り、これらが集合体をなしてマクロな状態となった物質の状態変化、化学反応、エネルギ−関係などを主眼に解説する。前期の後半からは、材料工学における状態図、析出現象などの考察の基礎となる比熱および熱力学について講述し、基礎的解析力を身につけさせるのが本講義の目標である。

  到達目標
   ・原子と原子核について説明できること。
   ・モル数と化学反応式について理解できること。
   ・理想気体と実在気体の方程式について説明できること。
   ・気体分子運動論について説明できること。
   ・定積および定圧比熱について説明できること。.
   ・状態変化と状態図について、例を挙げて説明できること。
   ・熱力学第1および第2法則について説明できること。
   ・エントロピ−について説明できること。.
   ・自由エネルギ−とエンタルピ−について説明できること。
   ・質量作用の法則における平衡定数について理解できること。
   ・ヘンリ−の法則とラウ−ルの法則について説明できること。
   ・化学ポテンシャルについて説明できること。
教科書
よくわかる物理化学の基本と仕組み 潮 秀樹 著 (秀和システム)
参考書
絵とき化学入門 石原武司・木野恭三・藤谷正一 著 (オ−ム社) 
材料の物理化学I D.V. Ragone 著, 寺尾光身 監訳 (丸善) 
授業の進め方
授業は、教科書・プリント・板書を中心に講義を進め、1年および2年で学んだ化学的内容と理論の復習を行いながら、出来るだけ演習問題を多く解かせ、物理化学の基礎力の充実を図る。
授業内容
前期 後期
1 物質の構成原子の基礎的説明 1 物質とエネルギ−利用の総論
2 原子・分子・イオン 2 熱力学第1法則
3 化学結合と化学式 3 等温変化と断熱変化
4 物質の状態 4 熱力学第2法則
5 気体の状態方程式 5 エントロピ−と熱力学第2法則
6 気体分子運動論1 6 エンタルピ−と自由エネルギ−(その1)
7 気体分子運動論2 7 エンタルピ−と自由エネルギ−(その2)
8 中間試験 8 中間試験
9 比熱と定積比熱 9 反応熱
10 仕事と定圧比熱 10 化学反応速度
11 気体、液体、固体の相平衡(その1) 11 化学平衡と質量作用の法則
12 気体、液体、固体の相平衡(その2) 12 熱力学と質量作用の法則
13 状態変化と状態図 13 濃度、溶解度および溶液の性質
14 相律 14 理想溶液の熱力学
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
定期試験70%(ただし100点満点)、小テスト(得点/総点)x 100の25%、受講状況5%の割合で評価する。
学生へのメッセージ
本科目は材料工学科において極めて重要な専門基礎科目のうちの一つであるから、予習と復習を十分に行うこと。問題演習は毎週行うので、電卓を必ず持参のこと。出来るだけ個々に指導を行うので、板書を写すだけでなく、疑問点があればその都度、質問して欲しい。ノ−トチェックを適宜行う。知識の定着度と理解力の調査のため、小テストを多く実施する。