平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
無機化学 松原 靖廣 前期
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
15170 3年 材料工学科   1単位
授業概要
物質の理解のためには原子の構造と電子の役割を知ることが重要である。共有結合など化学結合は、量子力学という非常に重要な学問分野により理解される。量子力学の主内容は,大学初級で習うが,今日の科学技術の発展において電子のエネルギー準位や量子数、パウリ,フントの規則、混成軌道、シュレデインガー方程式など初歩の量子力学内容を早い時期に学習する必要を感じる。やや難しいかもしれないができるかぎり易しく理解できるよう授業を進める。

  到達目標
   ・共有結合、イオン結合、金属結合が説明できる
   ・金属、セラミックス、プラスチックスの緒性質と化学結合の関連を理解する
   ・化学結合を理解するには量子論が必要であることを知る
教科書
絵とき化学結合の見方・考え方  藤谷・木野 邑・石原 共著  オーム社
参考書
特に指定なし,プリントとして配布資料あり。
授業の進め方
ごく普通に教科書の内容を理解できるよう説明していく。適切な演習問題を用意し授業中に
解いてもらう。また適時に小テストを行う。
授業内容
1 化学の基礎 原子とは?化学の基礎計算(molの概念,濃度計算)教科書(3〜31p)
2 原子周期表の理解,元素の性質や特性(イオン化ポテンシャル,電子親和力)
3 化学結合の基礎,共有結合,イオン結合,金属結合のあらまし
4 原子の構造,ラザフォード模型(電子,原子核の発見)教科書(41〜75p)
5 原子の構造,量子力学の基礎(水素原子のスペクトル,ボーアの理論)
6 原子の構造,主量子数,方位量子数,磁気量子数,スピン量子数 教科書(48〜51p)
7 光/電子の波動性と粒子性(ド・ブローイ波,光電効果)ボーアの量子化条件、波動方程式教科書(51〜56p)
8 中間試験
9 水素原子の原子軌道,パウリの原理,フント則,軌道のエネルギー他(56〜75p)
10 共有結合 教科書(78〜102p)
11 共有結合 原子価結合法,分子軌道法 77〜83p
12 分子軌道(σ結合,π結合)等核二原子分子,異核二原子分子 83〜92p
13 分子の形と分子軌道の分類(原子価状態,混成軌道),多重結合 83〜102p
14 共有結合のイオン結合性,ポーリングの電気陰性度 120p
15 期末試験
成績評価の方法
試験点 80%: 受講状況、提出物等 20%。全体を100点満点とする
学生へのメッセージ
覚えることよりも物事を理解するというか現象の本質についてその筋道を考えるくせをつけることが大事であると思います。関連科目として化学1,2,無機材料学(4年材料),物理化学(3年材料),有機化学(4年材料)などで化学・材料科学の全般にまたがる内容であります。