平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
基礎電子回路 尾西 康次 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
12271 電気情報工学科 必履修 2単位
授業概要
電子回路は電磁気や電気回路と同様に電気工学での基礎科目である。基礎電子回路では半導体(ダイオード、トランジスタ)などの電子回路素子の基本特性を理解し、それらを用いた小信号増幅回路の基本特性や等価回路を用いた基本的特性解析法を講義する。

  到達目標
   ・1、半導体素子の代表であるダイオード、トランジスタの構造や性質を理解できるようになる。
   ・2、トランジスタ増幅回路の基本的な動作原理と回路の特徴、種類が理解できるようになる。
   ・3、トランジスタ増幅回路におけるhパラメータをもちいた各種計算ができるようになる。
   ・4、トランジスタのバイアス回路が理解できるようになる。
   ・5、FETによる基本的な増幅回路が理解できる。
   ・6、負帰還増幅回路の原理、特徴が理解できる。
教科書
電子回路  藤井信生 (実教出版)
参考書
電子回路  桜庭一郎/熊耳 忠 共著 (森北出版)
授業の進め方
授業は教科書に沿って板書で進めるが、現象を物理的に理解できるようにポイントを板書に記載する。また、できるだけ多く演習を行い、学んだことがどのように使われるかを理解させる。講義内容の丸暗記ではなく、考え方の展開が重要であり、この点を確認するために小テストを随時行う。
授業内容
前期 後期
1 半導体の性質、自由電子と正孔の働き 1 トランジスタのhパラメータ
2 半導体の種類、pn接合、整流作用 2 トランジスタの等価回路を用いた特性計算
3 ダイオードの種類と特性 3 トランジスタのバイアス回路の安定度と種類
4 トランジスタの基本動作と静特性 4 トランジスタの各種バイアス回路の特性
5 接合形FETの基本動作と特性 5 トランジスタ増幅回路の周波数特性   
6 MOS形FET、その他の半導体素子 6 トランジスタ増幅回路の増幅度とインピーダンス
7 演習 7 演習
8 中間試験 8 中間試験
9 集積回路 9 FETの基本増幅回路
10 増幅原理、増幅器の分類  10 FETのバイアス回路
11 トランジスタによる増幅の原理 11 FETによる小信号増幅回路
12 トランジスタの基本増幅回路 12 負帰還増幅回路の原理と増幅度
13 トランジスタの動特性 13 エミッタホロワとソースホロワ
14 演習 14 演習
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
定期試験80%、小テストあるいは提出物20%で評価する。
学生へのメッセージ
授業中、先生からの一方通行ではなく、なぜそうなるのか等物理現象を自分で考える癖を付け、必要なら質問をし、自分に取り込んだ形で講義を聴くように意識的に努力すること。なお、半導体の性質は「電子工学」(3年電気)で詳しく学び、また、本科目は「電子回路」(4年電気)に継続される。電気主任技術者関連科目である。