平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
有機機能化学 兵田 俊治 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
16630 5年 生物応用化学科
(応用化学コース)
  2単位
授業概要
高分子は、自然界に見られる繊維や食品、人間の手によって合成されたプラスチックやフィルムなど、生活に欠かせない材料となっている。本授業では、高分子の科学史、高分子合成法(高分子のラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合、金属触媒、開環重合、重縮合、重付加など)、分子量の概念、共重合体の性質、立体構造、熱力学的挙動等の基礎的な知識や、最近の機能性材料への応用についての学ぶ。さらに、高分子に関するグリーンケミストリーの概念を学び、環境保護の歩みや環境分野法令(例、化審法)について基本的な知識を習得を目指す。これらを通じて、高分子化学などの専門知識とそれらを応用化学と生物工学の諸問題の解決に利用できる能力を培う。
  到達目標
   ・合成高分子化合物の生い立ちを理解し、説明できること。
   ・高分子化合物の特徴(熱的および力学的性質など)を理解し、説明できること。
   ・合成高分子の基本的な化合物の名称および構造式を書くことができること。
   ・合成高分子の基本的な化合物の合成反応式を書けることができること。
   ・合成高分子化合物の合成法(例、ラジカル重合、イオン重合、重縮合など)に関する基本的な知識を習得し、説明できること。
   ・高分子の分子量やその立体構造についての基本的な知識を習得し、説明できること。
   ・高分子の機能性材料への応用について基本的な知識を習得し、説明できること。
   ・高分子に関するグリーンケミストリーの概念を理解し、説明することができること。
   ・環境保護の歩みや環境分野法令(例、化審法)について基本的な知識を習得し、説明できること。
教科書
新高分子化学序論  伊勢典夫 他著  (化学同人)
グリーンケミストリー P.T. Anaatas, J.C. Warner 渡辺正・北島昌夫 訳 (丸善)
参考書
機能高分子材料の化学  戸嶋直樹 著  (朝倉書店)
沈黙の春 Rachel
環境と化学 柘植秀樹・荻野和子・竹内茂彌 (東京化学同人)
授業の進め方
教科書やプリントを中心にした講義に加え、演習を随時行うことにより理解を深める。また、化学関連の新聞記事を題材にプレゼンテーションを行う。
授業内容
前期 後期
1 高分子概念の確立の歴史 1 高分子合成:イオン重合(アニオン重合1)
2 合成高分子の生い立ち(Nylon, PE) 2 高分子合成:イオン重合(アニオン重合2)
3 高分子合成の原理(重縮合) 3 高分子合成:イオン重合(カチオン重合)
4 高分子の分子量(高分子の生成条件、分子量分布) 4 高分子合成:イオン重合(開環重合)
5 耐熱性高分子 5 高分子反応:熱硬化性高分子(フェノール樹脂)
6 高分子合成:ラジカル重合(ラジカル重合とは) 6 高分子反応:官能基の変換(合成高分子)
7 高分子合成:ラジカル重合(開始反応) 7 高分子反応:官能基の変換(天然高分子)
8 中間試験 8 中間試験
9 高分子合成:ラジカル重合(停止反応) 9 機能性高分子材料:電子・電気材料、光機能性材料等
10 高分子合成:ラジカル重合(成長反応) 10 機能性高分子材料:薬用高分子、医用材料、生体高分子等
11 高分子合成:ラジカル重合(共重合) 11 機能性高分子材料:フォトレジスト、光記録材料、構造材料等
12 高分子合成:ラジカル重合(Q-e値) 12 高分子合成法とグリーンケミストリーについて
13 高分子合成:ラジカル重合(移動反応) 13 高分子の環境への影響について(環境保護の観点から)
14 高分子合成:イオン重合(アニオン重合1) 14 高分子の環境への影響について(化審法の観点から)
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
4回の定期試験(70%)、新聞記事プレゼンテーション(20%)、課題提出物(10%)により評価する。
学生へのメッセージ
身の回りの材料や先端技術に使用される材料として高分子は非常に重要である。巨大な分子になることによって独特の性質が現れ、様々な機能を持つようになることを多角的に学ぶ。有機化学、合成化学の基礎知識があらかじめ必要とされる。有機工業化学とも密接な関連があり、生産工学専攻生物応用化学コースの理論有機化学、有機合成化学および高分子化学概論とも関連する。
学習・教育目標
(生産工学)
  学習・教育目標
(システムデザイン工学)
  学習・教育目標
(生物応用化学)
B-4