平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
物理化学1 河村秀男 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
16240 3年 生物応用化学科   2単位
授業概要
気体と液体の性質について取り上げる。これらの性質を原子、分子の立場から解説することにより、身近にみられる化学現象、物理現象を分子のレベルでイメージできるようになることを目的とする。
  到達目標
   ・1.ボイルの法則とシャルルの法則より、理想気体の状態方程式を導くことができること。
   ・2.ファンデルワールスの状態方程式を示し、理想気体の状態方程式との違いを説明できること。
   ・3.ファンデルワールスの状態方程式を用いて、臨界圧力、臨界温度、臨界体積を表せること。
   ・4.溶液の濃度をいくつかの表し方で計算できること。
   ・5.固体の溶解度、気体の溶解度の定義を理解し、計算することができること。
   ・6.溶液の束一的性質を示す現象例をいくつか挙げ、それらの基本式と内容について説明できること。
   ・7.ルシャトリエの原理を用いて、濃度、圧力、温度の変化に伴う平衡の移動について説明できること。
教科書
基礎物理化学  杉原剛介 他著  (学術図書出版)
物理化学1配布プリント 河村作成
参考書
化学図鑑 数研出版編集部 編著 (数研出版)
図説化学 竹内敬人 監修 (東京図書)
気体の化学 谷崎義衛 著 (培風館)
わかりやすい化学計算 島原健三・水林久雄 著(三共出版)
化学計算 島原健三 著(三共出版)
授業の進め方
各授業において配付するプリントに沿って、質問形式で授業を進める。各授業における理解度を確認させる目的で、授業の最後に問題を与え、レポートとして提出させる。
授業内容
前期 後期
1 ボイルの法則:圧力と体積の関係 1 純物質の状態図
2 シャルルの法則:体積と温度の関係 2 クラペイロン-クラウジウスの式:蒸気圧の温度変化
3 圧力と温度の関係 3 クラペイロン-クラウジウスの式:融点の圧力変化
4 ボイル・シャルルの法則:理想気体の状態方程式の導出 4 溶液の濃度計算:結晶水を持たない場合、結晶水を持つ場合
5 ドルトンの法則:混合気体の全圧と分圧の関係 5 固体の溶解度 (1):結晶水を持たない場合
6 実在気体と理想気体 (1):実験結果による比較 6 固体の溶解度 (2):結晶水を持つ場合
7 実在気体と理想気体 (2):分子の大きさと分子間力の存在 7 固体の溶解度 (3):結晶水が温度によって異なる場合
8 中間試験 8 中間試験
9 ファンデルワースルの状態方程式:式の導出 9 気体の溶解度 (1):溶解度と温度の関係、溶解度と圧力の関係
10 ファンデルワースルの状態方程式に基づく実在気体と理想気体のずれ 10 気体の溶解度 (2):ブンゼンの吸収係数
11 気体の液化、臨界温度、臨界圧力、臨界体積 11 溶液の束一的性質 (1):蒸気圧降下、沸点上昇
12 ファンデルワースル式を用いた臨界温度、臨界圧力、臨界体積 12 溶液の束一的性質 (2):凝固点降下、浸透圧
13 相応状態 13 質量作用の法則
14 液体の蒸気圧 14 化学平衡に対する外的条件の影響
15 期末試験 15 期末試験
成績評価の方法
中間試験と期末試験の結果を80%、各授業において課したレポートを20%として評価する。
学生へのメッセージ
結果を覚えることよりも、なぜそうなるのかと考えることが大切です。本科目の後半で学んだ内容は、4年生、5年生の物理化学の授業で化学熱力学を学習することにより、より厳密に理解できるようになります。