平成18年度
授業科目 担当教員 開講期
生体情報工学 伊月 宣之 前期
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
62121 電子工学専攻 選択必修 2単位
授業概要
生体は多くの優れた機能を有しており、これらの優れた機能を測定解析して工学に応用すれば、工学的により価値の高いものを創り出すことが可能である。そのためには生体機能の情報をより多く引き出す必要がある。近年、生体情報工学分野がより注目され、この分野の研究も盛んに行われるようになってきた。本講義では、技術者を目指す学生には比較的関心の薄いこのような分野を紹介し、独創的な技術を生み出すための一助となることを期待する。
  到達目標
   ・1.神経細胞の機能について理解していること
   ・2.筋肉の機能と運動制御について理解していること
   ・3.視覚系や触圧覚受容器の構造や機能について理解していること
   ・4.授業を通じてプレゼンテーション能力を身につけること
   ・5.生体機能の工学的応用が検討できること
教科書
生体情報工学  赤澤堅造 著  (東京電気大学出版局)
参考書
生体情報工学  星宮望 他著  (森北出版)
授業の進め方
教科書に沿って講義・ゼミ形式で進める。各章ごとに関連深いキーワードを複数個選び、受講生がキーワードごとに分担してインターネットや文献で調査し、まとめてパワーポイントで発表してもらう。発表の都度、補足事項を講義で補いながら授業を進める。生体情報工学の概要、神経細胞の機能と働き、神経回路等、筋肉・運動の制御機構、視覚や聴覚の情報処理機構等について、キーワードを設定する。発表資料は学生全員で共有し、最後にその資料に基づいた期末試験を行う。
授業内容
1 ガイダンス(授業の進め方)、キーワードの設定、第1章 序論(講義):生体情報工学の紹介、生体システムの特徴、生体情報工学の役割
2 第2章 センシングとシミュレーション(講義)
3 第3章 細胞膜と活動電位:課題発表(細胞膜の構造と静止電位、活動電位)、補足説明
4 第4章 受容器と感覚情報:課題発表(感覚の種類と感覚情報の符号化、感覚の計測法)、補足説明
5 第5章 ニューロン:課題発表(ニューロンの構造、ニューロンのモデル)、補足説明
6 第6章 神経回路と脳:課題発表(神経の結合様式、側抑制、脳の構造と機能)、補足説明
7 進度調整予備日
8 第7章 記憶と学習、ニューロンコンピューティング:課題発表(神経系の学習、シナプスの可塑性)、補足説明
9 第7章 記憶と学習、ニューロンコンピューティング:課題発表(ニューロコンピュータ、バックプロパゲーション)、補足説明
10 第8章 筋肉の収縮、張力制御の神経機構:課題発表(菌の収縮、張力の随意制御)、補足説明
11 第9章 運動の機構と神経制御:課題発表(脳による緊張力とスティフネスの調整、運動サーボ)、補足説明
12 第9章 運動の機構と神経制御:課題発表(運動の中枢プログラム、人工の手)
第10章 触圧覚:課題発表(触圧覚受容器の構造)、補足説明
13 第11章 視覚系の情報処理処理:課題発表(眼、外側膝状体と視覚野の情報処理、視覚の心理現象)、補足説明
14 第12章 聴覚系の情報処理と音声:課題発表(聴覚器官の構造と神経機構、聴覚の心理物理特性、音声の解析)、補足説明
15 期末試験
成績評価の方法
期末試験と毎回の報告(パワーポイントファイルまたはレポート)は各々100点満点で評価する。総合成績は、期末試験を40%、報告を60%で評価する。
学生へのメッセージ
授業は専攻科AV室で行う。
本講義に関連する科目としては人工知能があるが、それ以外に、特別研究でも関連する領域の研究を行っている研究室(筋電図、眼球電図、医用画像処理、ニューラルネットワーク等)もあり、特別研究の関連科目として知識を身につけておくとよい。
学習・教育目標
(生産工学)
  学習・教育目標
(システムデザイン工学)
A-2 学習・教育目標
(生物応用化学)