授業科目 担当教員 開講期
電気工学実験1
(Electric Experiments 1)
井門 英司・香川 福有・横山 隆志 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
12830 3年 電気工学科 必修 3単位
授業目標
実技を通して、実験原理の理解、実験装置・使用器具類の取扱いと回路製作技能、発表の訓練を行う。これらを通して、協力的精神を養い、数量的な概念を身につけ、科学的な考察力を養い、報告書作成および内容説明の能力を身に付けることを目標とする。
教科書
電気工学実験1(指導書)  新居浜高専・電気工学科編集
参考書
標準 電気基礎(上) (下)  加地正義 著  (オーム社)
基礎 電気電子計測  菅野允 著  (コロナ社)
授業の進め方
(1)1つの実験・実習テーマを班単位で行い、10テーマを交代しながら順次実施する。
 1週目に実験を、次週に報告書を提出し、口頭発表を行うか、または口頭試問(簡易な
 筆記試験を含む)を受ける。内容が不備な場合は、再実験、報告書の修正・再提出となる。
(2)実験の準備として、そのテーマに対する実験原理・方法を、報告書の形式に仕上げて
 来ること。
(3)実験、口頭発表、口頭試問、または、配線テストを欠席した場合は、できるだけ早い後日
 の放課後に行う。
(4)配線テストは、指定された回路を、定められた時間内に完成させることに重点を置く。
授業内容
前期
1 ガイダンス(実験の進行、テキスト整理、一般的な注意事項など)
2 練習実験:電位降下法による抵抗測定(データ整理のチェックを行う)
3〜14 下記(1)〜(10)の実験・実習のうち4テーマを交代で実施し、報告書の
 提出時に口頭発表または口頭試問を行う。Word,Excelによる報告書作成
 およびPowerpointによる口頭発表資料の作成を含む。
15 前期のまとめ

後期
1〜14 下記(1)〜(10)の実験・実習のうち残り6テーマを交代で実施し、報告書の
 提出時に口頭発表または口頭試問を行う。途中に、Word,Excelによる報告書作成
 およびPowerpointによる口頭発表資料の作成、2回程度の配線テストを含む。
15 後期のまとめ
   
実験・実習テーマ 
(1)直列共振特性の測定(RLC直列回路の共振曲線、共振周波数、共振の鋭さ、
  コイルの抵抗分の測定)
(2)整流回路の特性測定(全波整流回路とL/Cの平滑回路・波形観測)
(3)交流回路のベクトル・電力・力率改善(RL負荷の電流ベクトルの位相、
  消費電力、並列Cによる負荷の力率改善)
(4)ポケコンによるLEDの点灯制御(2進−10進変換、Basicプログラムによる
  LEDセグメントの選択・点灯)
(5)直流による磁気特性の測定(環状資料、減磁、BH曲線、ヒステリシス環線、磁束計)
(6)論理演算の基礎(AND、OR等、多数決回路、半加算器、その他の組合せ回路の
  構成、動作確認)
(7)直流安定化電源の製作(穴あき基板、全波整流回路、直列制御、
  ツェナーダイオード、動作確認試験)
(8)フリップフロップ回路の製作(はんだ付け、非安定FF、LEDによる動作確認試験)
(9)UNIX入門(1)(基本的なコマンド:ls,cd,cp,mkdir ほか)
(10)UNIX入門(2)(エディターvi、プログラムの実行手順ほか)




成績評価の方法
(1)実験への参加・協力 30%  (2)報告書 30%  (3)口頭発表または口頭試問 30%
(4)配線テスト 10% で評価する。
 ただし、原則として、全テーマについて、実験・実習の実施、報告書の提出(再提出)、
口頭発表または口頭試問の完了、配線テストの合格を単位認定の条件とする。
学生へのメッセージ
(1)口頭試問は、実験の原理・方法、測定結果および考察事項に関する質問を行い、
  その回答から理解の程度を評価します。
(2)交流回路のベクトル・電力・力率改善、磁気特性の測定は、4年で学ぶ電磁気学、
  電気回路・回路演習、電気機器、電力工学、電気工学実験2に関連する内容です。
  安定化電源回路およびフリップフロップ回路の製作実習は、もの作りの基本です。
  ポケコンによるLED点灯制御およびUNIX入門は情報系の実習テーマです。
(3)無線従事者・電気工事士・電気主任技術者・情報処理技術者関連科目である。