授業科目 担当教員 開講期
計算機制御
(Digital Control )
榊原 久司 通年
科目番号 対象学年 必修・選択の別 単位数
13320 5年  電子制御工学科(D) 選択 2単位
授業目標
計算機制御の授業においては、現代制御理論及びディジタル制御理論について学ぶ。現代制御理論を勉強していく過程で行列、微分方程式など数学の知識を用いることになるが、これを通じて数学がどのようなかたちで工学に活かされているかも理解できる。
状態方程式と可制御性・可観測性の基本概念および状態フィードバックの考え方とオブザーバの概念を理解すること、また、Z変換などディジタル制御系における基本的な計算法を習得することを目標とする。
教科書
制御基礎理論  中野道雄・美多勉 著  昭晃堂
参考書
新編高専の数学2  田代嘉宏・難波完爾 編  森北出版
授業の進め方
黒板での演習と理解度テストで一区切りの内容を確実に理解させながら進めるので、定期試験時にはそれまでの復習をするだけで合格点はとれる。授業時間中に理解させることに重点を置いている。
授業内容
前期 後期
1  ブロック線図の等価変換 1   ディジタル制御の基礎概念
2  状態方程式とは 2   離散時間表現とZ変換
3  状態方程式の求め方 3   Z変換の性質
4  状態方程式と伝達関数 4   パルス伝達関数
5  座標変換と固有値・固有ベクトル 5   逆Z変換1
6  対角正準形式と可制御性・可観測性 6   逆Z変換2
7  基本変形による行列のランクの求め方 7   安定性と安定判別法
8  前期中間試験 8   後期中間試験
9  行列の指数関数と状態推移行列 9   離散時間値系の安定判別
10  状態方程式の解の求め方1 10   状態フィードバック制御と安定化1
11  状態方程式の解の求め方2 11   状態フィードバック制御と安定化2
12  可制御正準形式、可観測正準形式の特徴 12   オブザーバと状態変数の再現
13  可制御正準形式、可観測正準形式の応用1 13   オブザーバによる安定化
14  可制御正準形式、可観測正準形式の応用2 14   現代制御理論による設計例
15  前期期末試験 15   学年末試験
成績評価の方法
定期試験が70%、年間4回行う理解度テストが20%、問題演習・課題提出物 10%で評価する。
学生へのメッセージ
制御工学1、2が古典制御理論といわれている1960年頃までに体系化された1入力1出力線形システムを主な対象にしているのに対し、計算機制御では、多入力多出力システムを対象とする。どちらかといえば教科書を読んでも理解しづらい科目であるため、演習を交えてイメージを掴めるよう配慮する。