介護工学研究会の発足に当たって

◆ 寿命が延びることは大変目出度いことでありますが、その反面、老いに伴う身体の機能低下は避けられず、介護を必要とする老人の増加は社会問題と成っています。老いは誰も避けて通れない事であり、少子化、と核家族化、それに加えての過疎化は、老人の生活に介護機器の必要性を一層高くしています。また、医学の進歩により、従来は生存が不可能であったような大きな事故や病気を克服できるようになりましたが、その結果として身体機能の一部が損なわれ、介護を必要としたり、社会復帰のために何らかの機器の補助を必要とする人たちもいます。

◆ これからの介護機器には、著しい進歩を遂げた電子機器と新素材とを取り入れた高機能、低価格、個別対応可能なことが期待されます。このような機器の開発には、医産学の緊密な協力が不可欠であります。幸いにも新居浜には、四国一の重化学工業地帯を支えてきた鉄工、機械産業、東予唯一の高等教育機関として技術の教育と研究を行っている新居浜高専、さらに、充実した陣容と施設を誇る病院とが存在しています。これらの三者の協力体制が平成8年秋に出来上がり、月二回のペースで研究会を持ち、従来にない新しい介護機器の開発に向けての勉強を続けております。会の名称も、表題のように「介護工学研究会」として、高齢社会に貢献出来る事を目指して精進を続けることになりました。

◆ この研究会は、志を同じくする人のボランティア活動として運営されており、開発に向けての強い関心と意欲ある信義の厚い方々に広く門戸が開かれて居ります。参加をご希望の方はこちらへお問い合わせ下さい。また、介護にお困りの状況や必要とされる機器のご希望を承り、ご要望にお応えする努力を重ねる所存でありますので、アンケート等にもご協力をお願い申し上げます。


介護工学研究会 初代会長
 板谷 良平(新居浜工業高等専門学校 第五代校長)


沿 革

平成8年(1996年)
板谷良平校長(初代会長)が愛媛労災病院長へ協力の打診をしたところ、快諾をいただいたことをきっかけとして、愛媛労災病院リハビリテーション科の医師、理学・作業療法士、看護師、新居浜機械産業協同組合青年部から(株)篠原鉄工所、(株)近藤工作所などの有志が集まり、「福祉介護ロボットに関する勉強会」が開かれる。
平成9年(1997年)
名称を現在の「介護工学研究会」に改める。
「介護・リハビリなどに関する問題と要望」、「筋肉の構造についての講習」、「介護機器展や車椅子シーティング講習会の報告」、「労災病院での介護体験実習」などを通して、メンバーそれぞれがターゲットを絞った機器の開発を行うことになる。
(株)タイワの桂氏、佐々木氏を始め、その介護者、特別養護老人ホーム、在宅介護支援センターのソーシャルワーカーなど多彩なメンバーとなり、13テーマとなる。
(財)東予産業創造センター(現・(公財)えひめ東予産業創造センター)片上氏の支援により、NEDO(独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)、新居浜市から開発費補助を受け、開発に拍車がかかる。
平成10年(1998年)
個人参加の上出拓郎氏、永田浩氏らによる積極的な設計や試作があり、研究会の活動が活発化する。
平成13年(2001年)
愛媛労災病院の三原作業療法士の原案である共同開発機器「ササエさん」をプロトタイプにまで完成させ、積極的に試乗調査し、(株)西岡鉄工所とともに製品化にこぎつける。
「えひめ国際福祉産業フェア2001」、「福祉機器展みはら2002」、第17回日本リハ工学カンファレンスへの出展を行い、広く普及活動を行う。
平成14年(2002年)
新居浜市社協「福祉用具修理改善相談コーナー」、ボランティアフェスティバル、社会福祉大会などのイベントにおいて介護工学研究会のメンバーが相談員になり、ニーズ発掘及び社会貢献を行うようになる。

現在に続く。詳細は活動報告のページをご覧ください。

アンケートのお願い

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